【包材・物流から改善】冷凍食品OEMでコストダウンを実現する5つの見直し
冷凍食品のOEM製造で試算を出した際、想定以上の見積額に驚いた担当者の方は多いのではないでしょうか。
製造原価の内訳を把握し、包材や物流設計を改善してコストダウンを実現する実践的な見直し手順をお伝えします。
冷凍食品OEMで費用が膨らむ原因と製造原価の内訳

冷凍食品のOEM製造原価は、常温品や冷蔵品と比べて加工費や冷凍保管費・物流費が上乗せされる構造になっています。一般的な食品製造では原材料費と加工賃が原価の多くを占めますが、冷凍食品では凍結設備の稼働エネルギー費用や専用資材の費用が加算されるため、見積もりの総額が想定を超えやすくなります。
国の「2024年経済構造実態調査(製造業事業所調査)」(2023年実績)によると、食料品製造業における原材料・燃料・電力の使用額等は全国計で算出されており、製造工程におけるエネルギーや資源の消費が製造原価に大きく関わっている実態が示されています。
冷凍加工では品温をマイナス18度以下まで一気に下げる必要があるため、工場の電気代や設備償却費が加工賃へ直接反映されます。
出典: 総務省「2024年経済構造実態調査(製造業事業所調査)」
冷凍食品OEMの見積もりを見直す際は、費用を5つの項目に分解して検証を進めることが不可欠です。
原材料費、調理加工賃、凍結加工費、包材資材費、そして工場出荷後の冷凍保管・輸送費のどこに割高な要因があるかを特定しなければ、効果的なコストダウンは実現できません。
冷凍食品OEMにおける製造原価の5つの構成要素
製造原価の構成要素を整理すると、コスト削減の着手ポイントが明確になります。
原材料費の削減だけに目を向けると味や品質が損なわれる恐れがあるため、加工工程や包材仕様などの固定的な費用から見直しを行う視点が求められます。
- 原材料費・調味料費: 具材や調味料の仕入れ費用です。規格外原料の活用や配合比率の再設計により、おいしさを保ちながら費用を抑える工夫が可能です。
- 調理加工賃(工賃): 食材のカットや加熱調理、盛り付けにかかる工場の作業人件費です。工程の複雑さや手作業の多さに比例して金額が上昇します。
- 急速凍結加工費: 食品用フリーザーを用いて中心温度を急速に下げるための設備使用料および電気代です。凍結方式や稼働時間によって変動します。
- 包装資材費(フィルム・トレイ・段ボール): マイナス温度下での破損を防ぐ耐寒性フィルムや専用トレイの資材代です。サイズや厚みの過剰設計が見積もりを押し上げる要因になります。
- 冷凍保管・物流費: 製造後の製品をマイナス18度以下で維持するための営業倉庫保管料や冷凍混載便の運賃です。製品サイズが容積換算運賃に直結します。
参考: 経済構造実態調査 2024年経済構造実態調査(製造業事業所調査) | ファイル | 統計データを探す
包材設計と冷凍物流の最適化で進めるコストダウン

冷凍食品OEMにおけるコストダウンでは、包材の寸法設計をミリ単位で見直して段ボールの積載効率を上げることが物流費と保管費の削減に直結します。冷凍便の輸送運賃や営業倉庫の保管料は、重量だけでなく外箱の容積(タテ・ヨコ・高さの合計)によって計算されるため、パッケージの余白を詰めるだけで月々のランニングコストを大きく圧縮できます。
包材の材質選定においても、過剰スペックを見直すことで資材単価を低減できます。
冷凍耐性や酸素を遮断するガスバリア性は商品の酸化を防ぐために必要ですが、賞味期限の設定に対して過剰に多層な高機能フィルムを採用しているケースも見受けられます。
商品の流通期間に見合った適切な厚みと材質を選ぶことが重要です。
外装段ボールのパレット積載効率を高める工夫も効果を発揮します。
JIS規格の標準パレット(1,100ミリ×1,100ミリ)に対して、隙間なく段ボールを積み上げられるサイズに設計することで、1パレットあたりの保管個数が増加し、倉庫に支払う保管パレットあたりの月額チャージ料を抑制できます。
包材と物流費を削減する3つの見直し手順
包材の見直しは、食品そのものの配合やレシピを変更することなく着手できるため、品質への影響を最小限に抑えつつ、確実性の高いコストダウンを図れる有効な手段です。
以下の手順に沿って包材仕様と出荷形態の再設計を進めることを推奨します。
- フィルムの厚みとバリア性の適正化: 商品の目標賞味期間と油脂の酸化リスクを検証し、過剰な厚みのフィルムから必要十分な耐寒性・遮蔽性を持つ規格へ変更します。
- 内装トレイ・個包装袋の余白カット: 商品本体に対してトレイや袋の幅・深さを数ミリ単位で絞り込み、かさばりを解消して外装段ボールの小型化を図ります。
- 標準パレットへの積載パターンの最適化: 外装段ボールの寸法をパレット積載時にデッドスペースが生まれない比率へ整え、1回の輸送・保管あたりの収容効率を高めます。
冷凍食品OEMの製造ロス削減と工場選定の進め方
冷凍食品OEMの製造原価を抑えるためには、試作から量産ラインへ移行する際の歩留まり低下や成型不良による製造ロスを未然に防ぐ基準作りが極めて効果的です。厨房での試作が順調であっても、工場の大型攪拌機や充填機を通すと粘度や形状が変わり、ライン停止や規格外品の廃棄が大量に発生して実質的な製造単価が跳ね上がる事態が頻発します。
職人の技量に頼らず製造ロスを最小化する仕組み作り
MYPLATEの支援実績として、大手プロスポーツチームの公式マスコットキャラクターの顔を立体的に再現したオリジナル豚まんの開発事例があります。
平面イラストを立体食品化する際、手作業によるパーツ配置のブレや金型の型抜けによる個体差が課題となりましたが、感覚的な調整指示を数値と図で定義し、出荷基準を明確にした「OK/NG判定基準マニュアル」を構築して製造現場と共有しました。
職人の技量に依存しない品質平準化の仕組みを整えたことで不良品の発生を抑え、スタジアム内での大ヒットにつながりました。
販売計画と工場の生産能力を最適化する選定基準
委託先工場を選定する段階では、自社商品の製造ロットや設備仕様との相性を慎重に見極める必要があります。
工場の最低製造ロットが大きすぎると過剰在庫を抱えて冷凍保管費が膨らみ、逆に小さすぎると1個あたりの加工賃が高止まりするため、初期の販売計画と工場の生産能力のバランスを取ることがコスト抑制の前提となります。
専門チームの知見で開発から物流まで無駄を省く
MYPLATEでは、大手食品メーカーの開発経験者や元パティシエ、管理栄養士などの専門チームが企画から製造工場の選定、衛生管理、物流構築まで一気通貫で伴走支援を行っています。
専門人材1名分の月額費用で開発の全工程をカバーできる体制を整えており、自社で冷凍宅配食サービスを運営している実践者としての知見を活かして、無駄な製造ロスやコストの膨張を防ぐ設計をご提案しています。
- 製品仕様と工場の保有ラインの適合確認: 蒸し器やフライヤー、充填機の仕様が商品の特性に合致しているか確認し、手作業による余計な工賃の発生を防ぎます。
- 実機スケールでのテスト製造と歩留まり確認: 工場の量産設備を用いて実スケールでテストを行い、加熱減率や冷凍後の重量変化を正確に測定して原価計算に反映します。
- ビジュアルと数値による品質判定マニュアルの整備: 成型サイズや許容範囲のゆがみを画像と数値で定義し、工場の検品ラインでの判断迷いによる作業遅延や廃棄ロスを抑えます。
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よくある質問
Q1. 冷凍食品OEMにおける「急速凍結費」とは何ですか?
できたての料理を風味や食感を保ったまま素早く凍らせる設備を使い、冷凍加工する際にかかる費用です。常温や冷蔵の製造にはない、冷凍商品ならではの加工原価となります。
Q2. 包材のサイズを見直すだけで、なぜ物流費を削減できるのですか?
袋や外箱の余分な隙間をなくして小型化すれば、ダンボール1箱やトラック1台に積める商品の数が増えます。1個あたりの冷凍輸送・保管にかかる費用を大幅に抑えられます。
Q3. 包材の厚みを薄くしても、商品の品質や安全性に問題はありませんか?
冷凍による乾燥や破損を防ぐ強度があれば、過剰な厚みを減らしても品質は保てます。工場の実績をもとに適切な強度を検証し、安全性と材料費削減の両立を目指します。
Q4. 試作段階で決める「成型基準」とは、具体的にどのようなものですか?
商品の重さ、厚み、具材の配置などを数値で決めたルールのことです。基準をあらかじめ細かく統一することで、製造ラインでの型崩れや規格外によるロスを防げます。
Q5. 製造コストを抑えるためには、どのような基準でOEM工場を選ぶべきですか?
作りたい商品に適した凍結設備を持ち、製造ラインのロス対策や包材設計まで一緒に見直してくれる工場を選びます。設計段階から相談できるパートナーが最適です。
