【自前設備なし】6次産業化、商品開発で失敗しないOEM活用の3つの要点
農産物や地域資源を活かした新商品を開発したいものの、自前の加工設備や量産ノウハウがなく悩んでいませんか。
多額の設備投資を回避し、外部OEMを活用して企画から販路開拓まで着実に進める商品開発の実務要点が分かります。
この記事の要点
自前設備を持たない6次産業化の商品開発でOEMが選ばれる理由
自前で加工場を持たずに外部の食品工場へ製造を委託するOEM活用は、初期投資の負担を抑えて6次産業化へ参入するための現実的な選択肢です。農産物の加工事業を立ち上げる際、建屋の建設や製造機器の導入には多額の資金が必要になるケースが少なくありません。
販売数量が不透明な初期フェーズで固定費を抱え込むことは、事業継続において大きな財務リスクを伴います。
農林水産省の「6次産業化総合調査」(2018年度)によると、農産加工に取り組む農業経営体や農業協同組合等の年間販売金額規模別事業体数割合において、規模ごとの事業継続や収益確保の実態が示されています。
自前の加工場を構えても、稼働率が上がらなければ減価償却費や維持管理費が経営を圧迫するため、まずは外部リソースを活用して小さくテスト販売を重ねることが事業を軌道に乗せる近道となります。
私たちMYPLATEでは、自社で製造設備を持たずに商品プロデュースやPB・OEM支援事業を展開しています。
専門人材1名分の月額費用で企画・コンセプト設計から工場選定、物流構築までを専任チームが伴走支援するため、社内に開発部門がない企業でも無理のないコスト感で本格的な商品化へ踏み出せます。
6次産業化と単なる委託加工の違い
6次産業化とは、生産を担う1次産業、加工を担う2次産業、流通・販売を担う3次産業が掛け合わさり、地域資源に新たな付加価値を生み出す取り組みを指します。
単に余った農産物をどこかの工場に持ち込んで瓶詰めしてもらうだけの作業は、単なる下請け作業の外部委託に過ぎません。
市場の顧客ニーズを起点にブランドコンセプトを設計し、最終的な流通や販売の出口まで一体となって設計して初めて、事業として持続可能な6次産業化が成立します。
| 項目 | 自前加工場の新設 | 外部OEMの活用 |
|---|---|---|
| 初期設備投資 | 多額の投資が必要 | 製造ライン構築の投資が不要 |
| 固定費負担 | 減価償却費・維持管理費が発生 | 製造数に応じた変動費化が可能 |
| 衛生管理責任 | 自社でのHACCP運用が必須 | 提携工場の管理基準を活用可能 |
| 商品仕様の自由度 | 自社の設備仕様に限定される | 最適な設備を持つ工場を選択可能 |
参考: 6次産業化総合調査:農林水産省
試作止まりを防ぐ6次産業化の商品開発と委託工場の選定軸

キッチンや研究室での試作がどれほど美味しく仕上がっても、食品工場の機械ラインで同じ味や食感を再現できなければ量産化は進みません。
6次産業化の開発現場では、手作業でしか作れないレシピをそのまま工場に持ち込み、製造効率の悪さや歩留まりの低さを理由に断られてしまう事例が後を絶ちません。
試作の初期段階から、工場の釜の容量や充填機の仕様、熱の通り方を想定した配合設計を行う必要があります。
委託先となる食品工場を見極める際は、保有する製造機器の種類だけでなく、使用する原材料の受け入れ条件を細かく確認することが成功の分かれ目になります。
農産物は時期や天候によって形や糖度、水分量が変動するため、一定規格の原料しか投入できない自動化ラインではトラブルが起きやすくなります。
原料の特性を理解し、前処理や一次加工の段階から柔軟に対応してくれる製造パートナーを探し出す視点が欠かせません。
MYPLATEでは、案件ごとの製造スペックに合わせた最適な製造パートナーの選定とアサインを実施しています。
工場の製造方法設計はもちろん、工場ラインを用いた実スケールでのテスト製造やHACCPに沿った衛生管理体制の確認や、工場ラインの衛生チェックまで私たちが主導することで、新規参入企業がつまずきやすい衛生・製造リスクを抑えています。
農産物のブレを受け止める仕様設計の考え方
農産物は工業製品と異なり、収穫時期や日照時間によって水分値や固さが常に変化します。
この素材のブレを完成品の味のバラつきに直結させないためには、調味料の配合比率や加熱温度を細かく調整できるレシピの余白を残しておく設計が求められます。
ブレを完全に排除しようとするのではなく、素材の持つ自然な個性を活かしながら、均一な品質基準の枠内に収める配合設計が商品化の鍵を握ります。
- 原材料の搬入形態と前処理設備: 泥付き野菜や丸ごとの果物を受け入れ可能か、洗浄・皮むき・カットなどの一次加工設備が整っているかを確認します。
- ロットサイズと生産能力の適合性: 初期の販売計画に見合った製造ロット(数百〜数千食規模)で稼働できるライン構造になっているかを精査します。
- 衛生管理基準と検査体制: HACCPに沿った衛生管理が現場で徹底され、細菌検査や金属探知などの品質保証体制が機能しているかを確かめます。
参考: 6次産業化の動向と課題
量産の壁を越える6次産業化の商品開発と品質平準化の要点
工場での本製造が始まった後に最も頻発するトラブルは、製造ロットごとに味の濃さや具材の食感、見た目がバラついてしまう品質のブレです。
厨房で調理する際は料理人の感覚で微調整が利きますが、工場ラインでの大量生産では調味料の投入順序や加熱時間、冷却速度が少し狂うだけで仕上がりが大きく変わってしまいます。
職人の技量に頼ることなく、現場作業員が誰でも同じ仕上がりを再現できる仕組み作りが欠かせません。
見た目や具材の配置が重視される商品においては、製造現場との間で「何が良品で、何が不良品か」という判定基準を事前に共有しておくことが不可欠です。
言葉だけの曖昧な指示では現場の作業員ごとに解釈が分かれてしまい、出荷後に取引先や消費者からの指摘を受ける原因になります。
数値による管理幅の設定に加え、写真を用いた見本基準を作成することで、現場での判断の迷いを防ぐことができます。
MYPLATEの取り組み事例として、埼玉県深谷市および東都大学と連携した「深谷ねぎ冷凍弁当」の開発プロジェクトがあります。
名産品である深谷ねぎを贅沢に丸ごと1本使用した特製ねぎソースを開発するにあたり、冷凍食品の大きな課題である解凍時のドリップや風味劣化を防ぐ独自の配合と調理法を設計しました。
電子レンジ解凍後もねぎ本来の風味を損なわない基準を確立し、地域資源のブランド強化と教育活動の両立を実現しています。
誰が作っても同じ味になるマニュアル設計
品質を平準化するためには、作業工程を分解して数値とビジュアルで定義した基準書を整備する必要があります。
MYPLATEでは、製造現場での再現性を担保するために、具材のカットサイズや盛り付け位置、焼き色の許容範囲を定義した「OK/NG判定基準マニュアル」を構築しています。
基準を可視化して現場に納品することで、工場の担当者が交代しても品質がぶれない体制を築くことができます。
販路開拓まで見据えた6次産業化の商品開発を進める実務工程

6次産業化の商品開発で失敗を防ぐ鉄則は、「どこで、誰に、いくらで売るのか」という販路設計をレシピ作りの前に確定させておくことです。商品が完成してから営業活動を始めても、パッケージの賞味期限表示や流通温度帯、卸価格の設定が販売先の規格と合わず、取り扱いを見送られるケースが多々あります。
ECでの直送、道の駅での対面販売、百貨店やスーパーへの卸など、狙う売り場の流通条件から逆算して商品仕様を固める必要があります。
外販事業を成功させる上では、調理環境の違いを考慮した再現性の高いレシピ設計が強く求められます。
私たちの支援事例である株式会社酒井商会の「土鍋ごはん」ミールキットでは、人気の和食割烹で提供される名物メニューの味を自宅で再現するため、加熱による風味の変化や冷凍時の劣化を防ぐ独自のレシピを設計しました。
各家庭で異なる熱源や火加減でもプロの味が再現できる専用パッケージを開発し、新規外販ブランドの確立と新たな収益源の創出に貢献しています。
自社に食品開発の専門人材がいない場合でも、適切なパートナーと連携することで企画から発売まで約半年の道筋で描くことが可能です。
MYPLATEでは、大手食品メーカーの開発経験者や元パティシエ、管理栄養士が在籍する専任チームが、コンセプト設計から物流・パッケージの構築、発売後の改良まで一気通貫で伴走します。
おいしいだけでなく栄養バランスや安全基準まで配慮した商品設計により、地域資源を市場に定着する継続的な事業へと育てていきます。
- 市場調査とコンセプト設計: ターゲット顧客と販売チャネル(EC・卸・小売)を明確にし、競合商品との差別化要素や想定売価を決定します。
- レシピ試作と原価設計: 素材の味を引き出しつつ、目標原価率や流通温度帯(冷凍・冷蔵・常温)に合わせた配合と製造手順を検証します。
- 委託工場の選定と実機テスト: 要件に合致するOEM工場を選定し、実際の製造ラインでテスト製造を行って品質や歩留まりの基準を確認します。
- パッケージ制作と品質保証の整備: 食品表示法に準拠したラベル作成、賞味期限設定のための保存試験、配送テストを経て発売体制を整えます。
まずはお気軽にご相談ください
よくある質問
Q1. そもそも6次産業化におけるOEM活用とは何ですか?
自前の加工場を持たずに、収穫した農産物の加工や製品化を専門工場へ委託する手法です。
多額の設備投資を避けながら、工場の技術を活かして安全で高品質な商品を開発できます。
Q2. 委託先を選ぶ際はどのような基準で探せばよいですか?
扱いたい農産物の加工実績はもちろん、自社の計画に合う製造規模に対応できるかが重要です。
また、量産化に向けた課題に対して柔軟に相談に乗ってくれる工場を選びましょう。
Q3. 手作りの試作と同じ味を委託先で再現できますか?
工場の機械に合わせるため完全一致は難しいですが、原材料の割合や加工手順を細かく共有することで近づけられます。
試作を重ねて許容できる味の基準を事前に決めておくことが大切です。
Q4. 原材料となる農産物の収穫量が時期で変動する場合はどうしますか?
冷凍保存や一次加工で原料をストックできる体制を事前に工場と相談します。
収穫時期と工場の稼働計画をすり合わせ、年間を通じて安定製造できる工程を組むことが不可欠です。
Q5. 商品が完成する前から販路開拓を進めるべきなのはなぜですか?
完成後に売り先を探すと在庫リスクが高まるためです。
想定する販売先の要望や賞味期限、パッケージ仕様を企画段階から逆算して製造ラインに落とし込むことで失敗を防げます。
