離乳食をはじめる前に!肌荒れは食物アレルギーを引き起こす原因の一つ?!

今年は暖冬と言われていますが、だんだんと朝晩の冷え込みも厳しくなってきました。この時期気になるのが「乾燥による肌荒れ」。赤ちゃんは大人より皮膚が薄いので、とくに乾燥による刺激を受けやすいです。

そこで今回は、乾燥に強い味方の保湿剤「ワセリン」を使った口まわりのスキンケアに関するお話です。離乳食をはじめる前のワンポイントとして、ぜひ覚えておいてくださいね。

離乳食を与える前にワセリンを塗ろう

赤ちゃんの皮膚は、大人に比べて皮膚のバリア機能が未発達で、皮膚のトラブルが起こりやすいです。トラブルを避けるためにも、適切なスキンケアが大切です。

スキンケアの基本は、肌の清潔を保ち、保湿をすることです。保湿に使えるものとして、ベビーローションやベビーオイル、ベビーワセリンなどがありますが、この記事では「ワセリン」について記載します。

<「ワセリン」を活用するメリット>

  • かぶれ防止
  • 食物アレルギー予防

詳しくは以下で説明していきますね。

赤ちゃんの皮膚をかぶれから守る

赤ちゃんの皮膚は非常に薄く大人の半分程度と言われており、摩擦などの刺激による皮膚トラブルが起こりやすいです。 また、水分保持能も低いため、皮膚バリア機能が低いと言われています。 そんな弱い肌に食べかすやヨダレが付着すると、肌がかぶれてしまいます。 また、食べかすがついたからといって、それを取ろうとゴシゴシ拭いてしまうと、それもかぶれの原因になります。

赤ちゃんを皮膚トラブルから守るためにも、未成熟な皮膚バリア機能を補い、刺激から皮膚を保護することが重要であり、その一つの方法が「スキンケア」です。 なかでもワセリンは、皮膚に油脂性の保護膜をつくり、乾燥や刺激などから皮膚を守ることでかぶれを防ぎます。

皮膚の状態は食物アレルギーにも影響する?

近年の研究では、皮膚のバリア機能が障害されることで、経皮的に食物アレルゲン(食物アレルギーの原因となる物質)が体内に取り込まれ、アレルギー症状を引き起こす可能性が報告されています。

かぶれや湿疹、乾燥などで皮膚が荒れ、バリア機能が障害された状態では、アレルゲンが皮膚のバリアを通過して、表皮や真皮に侵入します。アレルゲンが体の中に入ると異物とみなして排除しようとする免疫機能がはたらき、「IgE抗体」という物質が作られます。この状態を「感作」といい、これが経皮的に起こることを「経皮感作」といいます。

スキンケア不足による「経皮感作」により食物アレルギーが進行することがわかってきたのです。

一方、口から入った食物については、身体に必要な成分には過敏な免疫反応を起こさない「経口免疫寛容」という機能により、むしろ早期に食物に慣れさせた方が食物アレルギーの発症予防につながる可能性が報告されています。

ワセリンを塗るときの注意点

ワセリンは安全性が高く、舐めても問題ないように作られています。なので、口元や唇などどこに塗っても大丈夫です。 ただし、先ほども述べたように赤ちゃんの皮膚は弱いので、あまり激しく塗り込むと肌荒れの原因となりかねないので優しく塗り込むか、軽くたたきながら塗るようにしましょう。

いざ、離乳食を始めるとなるとアレルギーへの不安もあると思います。しかし、食物への慣れや赤ちゃんの成長に大事な一歩!少しずつ楽しみながら進められるといいですね。

参考文献

国立成育医療研究センター「乳児期のアトピー性皮膚炎への”早期治療介入”が 鶏卵アレルギーの発症予防につながる ~二重抗原曝露仮説を実証する世界で初めての研究成果~」

国立成育医療研究センター「アレルギーについて」

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