【管理栄養士監修】離乳食、はじめての卵チャレンジは離乳初期から!

子育てパパ・ママの悩みの一つ「離乳食」。とくに、食物アレルギー発症リスクの高い食材の与え方は難しく、なかでも卵は「食べさせるのが不安」というも多いのではないでしょうか。

一児の母である私(マーケ担当、かたぱる)も、離乳食の進め方について悩んだ一人です。

そこで今回は、「卵黄と卵白の進め方と月齢別のスケジュール」について、MYPLATEの代表であり管理栄養士のしき先生に話を聞き、その内容をまとめてみました。

卵は「生後5~6ヶ月」に「加熱卵黄」からはじめる

卵は、離乳初期の生後5~6ヶ月から、20分間ゆでた固ゆでの卵黄を少量ずつ試し、様子をみながら進めましょう。

卵は卵黄と卵白に大きく分けられますが、アレルギーを起こしやすいのは卵白です。また、加熱時間や加熱温度もアレルギー発症リスクと関係しており、長く高温で加熱するほど、アレルギー反応は起こりにくくなります。そのため、与えはじめは、20分ほどしっかり加熱した固ゆでの卵黄から少量ずつ与えることが大切です。

「こんなに初期から与えていいの?」と思われる方もいるかもしれませんが、近年の研究では、離乳食の開始を遅らせないほうが食物アレルギーの発症を抑制できると考えられています。離乳食を開始し、おかゆ、野菜などに慣れ、豆腐や白身魚などたんぱく質を摂るようになったら、卵(加熱卵黄)に挑戦してみましょう!

月齢別の進め方・スケジュールについて

離乳食の進め方や食べる量は、赤ちゃん一人ひとり異なります。日本のガイドラインは、各時期における食べ方の目安や各食品群の目安量、調理形態など細かく記されているため、目安から外れると不安になる方もいるのですが、その心配はありません。

ガイドラインで示されている進め方は、あくまでも子どもの発達段階に即した一つのあり方、目安ですので、以下に記載するスケジュールもあくまで目安としてお考えいただき、実際には、赤ちゃんのペースに合わせて無理なく柔軟に進めていきましょう。

離乳初期(生後5~6ヶ月)

固ゆでした卵黄を、耳かき1杯の量からはじめます。卵黄1個を目標に、1日1回、1~2ヶ月かけて、少しずつ量を増やしていきます。

<注意点>
※体調の良い日の日中にトライしましょう(卵に限らず、はじめての食材は、万が一の事態に備えて、すぐに病院を受診できる時間帯に行うことが大切です)。
※ゆで卵は時間が経つと、卵白の成分が卵黄に移行してまうので、ゆでたらすぐに分けましょう。
※鶏卵の摂取を開始する前に、アトピー性皮膚炎を治しておくことが望ましい。

離乳中期(生後7~8ヶ月)

中期から2回食になります。卵黄1個分が食べられるようになったら、卵白を試していきます。固ゆでした卵白を、耳かき1杯の量から始めて様子をみます。卵白に問題がなければ、卵白と卵黄を混ぜて食べさせてみましょう。この時期は全卵1/3個が目標です。

離乳後期(生後9~11ヶ月)

後期は3回食が始まり、全卵1/2個まで量を増やしていきます。ゆで卵なら軽く潰したり、かきたまスープにしたりと、食べやすくなるように工夫するのがポイントです。

離乳完了期(生12~18ヶ月)

完了期には全卵1/2~2/3個まで食べられるようになり、炒り卵や卵焼きなどの卵料理も試せます。この頃になるとおやつ(補食)として、フレンチトーストやオムレツサンドイッチなどもおすすめです。

管理栄養士からのアドバイス

2019年に、科学的知見の集積、育児環境や就業状況の変化、母子保健施策の充実等、授乳及び離乳をり巻く社会環境等の変化を理由に、12年ぶりに厚生労働省策定「授乳・離乳の支援ガイド」が改定されました。

その中で、食物アレルギー予防に関して近年の科学的知見が盛り込まれ、従来のガイドでは生後7~8か月頃からとされていた卵(卵黄)の摂取時期が、離乳初期である5~6か月からに変更されました。

生後5~6ヶ月になると母乳だけでは栄養が足りなくなります。卵はとても栄養価の高い食品なので、アレルギーを心配し過ぎずに、離乳初期から食事に取り入れていきましょう。

参考文献

日本小児アレルギー学会「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」
厚生労働省策定「授乳・離乳の支援ガイド」

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