【管理栄養士監修】母乳分泌量をコントロールしたい!母乳育児中のママの食事


母乳の分泌量を減らす食べ物、増やす食べ物などネット上ではいろいろな情報がありますが、学術的には明確なエビデンスはありません。しかし、母乳の栄養を満たすために、お母さんがとるべき栄養素はいくつか存在します。そこで今回は、母乳育児中の栄養について、MYPLATEの代表であり管理栄養士のしき先生に話を聞き、その内容をまとめてみました。

母乳に栄養を与える栄養素


お母さんの栄養状態は母乳に影響を与えないと言い切るお医者様もいますが、厚生労働省では、母乳に影響を与えるとされる栄養素を添付の表のように示しています。

そのうち、母乳に不足しがちといわれるのがビタミンDや鉄なので、これらをしっかりとることをおすすめします。とくにビタミンDは赤ちゃんの免疫にもかかわる重要な栄養素です。ビタミンDは魚介類やきのこ類、鉄は赤身の魚や肉、レバー、緑の濃い野菜等に豊富に含まれます。

一方で、アルコール、カフェイン、糖分や脂質、塩分のとりすぎは、母乳の成分や分泌に影響を与える可能性はもちろん、母体の健康を害する恐れがあるため、注意しましょう。

母乳の分泌量を増やしたい


食事のお話ではありませんが、母乳分泌に関わるホルモンは夜間に多く分泌されるため、夜間の授乳が重要になります。また、適度な休養やストレス解消もホルモンバランスを保つ上ではとても重要です。ぜひ1日の中でリラックスできる時間を設けるように心がけて頂ければと思います。

乳房内から出た母乳の量だけまた母乳が作られますので、母乳が出にくい場合でも、1回1回の授乳でしっかり出し切る(乳房内を空っぽにする)ようにしましょう。

母乳の分泌量を減らしたい


母乳の分泌が過剰になりやすい場合、以下の行動を見直しましょう。

●高エネルギーな食事
脂質や糖質、たんぱく質はカロリーを含みますが、これらの過剰摂取には注意しましょう。とくに脂質は1gあたりのカロリーが糖質やたんぱく質を比較し多いので、揚げ物や菓子類、乳製品を摂りすぎないように心がけて頂ければと思います。

●乳房マッサージ
マッサージを適度に行うことは大切ですが、過度にならないよう注意して頂ければと思います。

余談になりますが、母乳を与える時期については、WHOでは、2歳かそれ以上まで母乳を続けることを推奨しています。母乳には、離乳食では補いきれないラクトフェリンをはじめとする赤ちゃんにとって有益な栄養素が豊富に含まれるので、負担でなければ、2歳かそれ以上までは与え続けていただくと良いです。

参考文献

厚生労働省.妊産婦のための食生活指針(「健やか親子21」推進検討会報告書).(参照2022-05-15)
厚生労働省. 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(令和3年3月). (参照2022-05-15)

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